時は1989年、私は大学1年生…

私はそれまでの黒電話から、1つ変な電話機を挟んで、待望の留守番電話を購入した。もとから音楽好きの私は、応答メッセージ(いわゆる「只今留守にしておりまんにゃあ」云々)にBGMを入れていた。

ところがある日

私は妙な夢を見た。私がキーボード(楽器の方です)を肩から下げ、それを軽快に弾いているではないか…

朝、目覚めた私は、速攻で小金井の楽器店に電話、ヤマハのショルキーを注文。その日の夕方には手に入れた。30000円也。

しかし、

私はピアノなぞ弾ける高尚な人間ではなかった。そりゃ、ドがどこにあるかくらいは知っていたし、見よう見真似で「猫ふんじゃった」くらいが弾ける程度。これまで、ハーモニカ(これは幼稚園で挫折した)、縦笛、トランペット、トロンボーン、そして高校時代に友達にもらったガットギターくらいしか、生涯楽器というものを手にしたことのない私に、その白と黒のずらずら並んだ物体は、購入早々、30000円の粗大ゴミになろうとしていた。

「とりあえず何か音出してみっかなぁ」

私は、適当に思い付いたメロディーを指1本で弾いてみた。そうしていくうちに、

「ハモらせてみよう」

と、2つ目、3つ目の音を重ねていくうちに、和音というものの成立ちのおおよそを把握してしまった。我ながら天才かもしれない(ちゃうちゃう)。

そうなると、もう勢いは止まるところを知らず、留守番電話のBGMも、オリジナルでいこう、と決心したのであった。


そんなこんなで、大学1年の秋から、大学4年の春頃までに、くだらねぇ曲を作った。もちろん、留守番電話用なので、それ程長い曲ではなかった。しかし、中にはちゃんとした曲にもなったり、詩をつければ唄になるものもあった。自己陶酔でなければ……(笑)

そんな中の1曲、これが留守番電話用に作った中では、最後の曲です。完成度としては一番いいと、自分では思います。(曲的にもっといいのがあったんだけど、録音でトチりが多いのだ、これが。)

ちなみに作り方(工程?)は、カセットのダビングを繰り返す合間あいまに、いろんな音を重ねていきました。MTRなんちゅうものがないので、音質が劣るが、これしか方法がなかったんです。(求、MTRまたはMIDI)

ちなみに現在は、暇がないのと、誰からかかってくるか分からないので、BGMなしです。あぁ学生の頃はよかったなぁ(ぼそ)。


2つ用意しました。曲は全く同じですが、サンプリングする時のイコライジングが違います。どちらかをお選び下さい。(もちろん両方聞いてもいいでっせ) 約15秒です。

・ドンシャリ系(マシン内蔵のスピーカにお薦め)

・スッキリ系(外付けスピーカにお薦め)


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